霧姫試験官「アナタ方は世界中から選りすぐられた難関を突破したサイコアナリストのエリート、今日はね、キミたちに最後の試験を受けてもらうわ! ここで生き残って初めて、アナタ方はアナリストとしても生き残れることを意味しているの。お分かり? ただし、わたくし今日は機嫌悪いから、容赦なく落とすからその覚悟でいてちょうだいね!!」
候補生一同「はい!!!」
霧姫試験官「さて、それでは手始めに、アナタ方がサイコアナリストとして今後活躍する上での抱負を改めて聞かせていただきましょうか。そうね、そこの窓際のキミ、答えてもらえる?」
二階堂くん「はい! ぼくはサイコアナリストになって、困っている人達を助けたいと考えています。報酬はリーズナブルに・・・」
霧姫試験官「えっと、ニカイド君だっけ? おつかれさま〜! もう帰っていいワ!」
二階堂くん「はっ? ど、どうしてでしょうか? そんないきなり・・・」
霧姫試験官「あのね、キミさ、、、あんまり心にもない、ウソこくのいい加減にしなさいな、このキリヒメが人の心を読めないとでも思っているの?」
二階堂くん「なにを言っているんですか、ぼくは本気でアナリストに・・・うわ〜、、、やめてくクレ、ぼくは本気だーー!!!」
<黒服の男に取り押さえられ強制退出させられた>
霧姫試験官「他の方々も、気をつけないと、、、即刻退場していただくから、そのつもりでいてね!、 第一、世のため人のため、、、って、、、そんな偽善がアナリストに通用するとでも思っているわけ! 自分にウソをつくことは、心象世界において、もっともタブーとされていることなの。自分を騙すような人間が他人の心を操ろうなんて、もってのほかだわ! 」
<候補生一同は内心身震いしていた・・・>
霧姫試験官「それに、なにがリーズナブルだっての! 激安な発想とかボランティアでサイコダイブを行うなんてのは私たちサイキックホモサピエンスの存在価値を低くしているようなものよ! そんな陳腐な発想は捨てて、可能な限り、クライアントから報酬を吸い出すのは基本中の基本! わかった!! アハハハハっ!」
<候補生一同は無言で頷く他なかった・・・>
霧姫試験官「さて、それでは一人脱落したところで、次の試験に移るわよ。アナタ方は今から、ある条件の基でサイコダイブしていただきます。そこで取った行動によって、将来を決める、、、重要な最終試験なのよ、ふっふっふ・・・」
勅使河原くん 「だ、誰にダイブするのでしょうか? 被験者はどなたです?」
霧姫試験官「ふふっ、、、被験者は、、、聞いて驚くなかれ、歴史上の独裁者として名を誇る、あのヒトラーにアナタ方は今からダイブしてもらうわ!」
本願寺さん 「ヒトラーはすでに死んでおりますが、、、いったいどのようにダイブするのでしょうかぁ?」
霧姫試験官「そんなアタリマエの質問するようじゃ、キミの試験は危ういわね・・・あなた方はサイコアナリストのエリート、、、心象世界を自由に出入り可能でなくてはならない、、、心象世界とは人のイメージの世界でもあり、つまり想像の世界と言っても過言ではないわけよ。だからあなた方は、今わたしが説明するヒトラーのイメージにシュミレーションという形でサイコダイブしていただきます。」
<・・・ザワザワ、ザワザワ・・・> (約30秒間)
霧姫試験官「さあ、アナタ方目を閉じてもらえる? 今からワタシが説明するヒトラーの心象世界を思い描いてね。用意はいい? じゃいくわよ!」
候補生一同「はい!!!」
霧姫試験官「ヒトラーが現れた! さあ、どうする!?」
<・・・シーーーン・・・> (約1分間)
霧姫試験官「ちょっと、、、何考えてんのアナタ方? 早く対応しないと、、、心象世界でヤラれちゃうわよ・・・というか、お帰り遊ばせてもらうけど、それでもいいわけ!」
勅使河原くん 「はい!、、、(勇気を振り絞って) ぼくは、ヒトラーに、こ、、、攻撃します!」
霧姫試験官「あら、、、残念、テシガワラさん、、、正解は、逃げるです!」
勅使河原くん 「そ、そんな、、、理由を、、理由を聞かせてください!」
霧姫試験官「キミそれでもホントにエリートだつたの? 歴史勉強したことあるの? ヒトラーといえばドイツ、ドイツといえばメッサーシュミットBf109eなわけ。対してあなた方は、ゼロ戦よ(ここ日本だし)。まともに立ち向かってかつ確率は、、、アナタ方の候補生という立場を借りるなら、負けるのは目に見えているし、ゼロ戦は装甲が薄いからドッグファイトやるだけ無駄なわけ。しかしメッサーシュミットよりもゼロ戦の方が遙かに航続距離が長いことは今時の小学生でも知っているし、対立せずに速やかに逃げることで、、、戦闘を回避できる、というわけ! ふっふっ、おわかりかなぁ?」
勅使河原くん 「そんな卑劣な、、、、これは罠だ、罠なんだぁ・・・!」
<黒服の男に取り押さえられ強制退出させられた>
霧姫試験官「何が起こるかわからない心象世界、、、それにあなた方は危険を覚悟して踏み込んでいることを忘れてはいけないわ!、じゃ次の展開いくわね!」
候補生一同「は、はいぃ・・・」
霧姫試験官「逃げ出したあなた達へ、ヒトラーはV2ミサイルで攻撃してきた、さあ! どうする?」
本願寺さん「はい!(自信ありげに) 逃げますぅぅぅ^^ るん♪」
霧姫試験官「あんたバカじゃないの? なんでも逃げればうまくいくと思ってない? それに何のためにさっき逃げたと思ってンの? ヒトラーへの対策を練る時間を稼ぐ為にさっき逃げたわけだから、ここで2度も同じ手を使うなんて、軍人として恥ずかしくないの?」
本願寺さん「あの、、、わたしたち軍人ではないですけどぉ・・・アナリスト候補生・・・」
霧姫試験官「ヒトラーの世界に民間人としてダイブできるわけないでしょう!潜入した時点でアナタ方は軍人としてみなされている。この展開では、時間を稼いでいる内に、、、ヒトラーのV2ミサイルを迎撃するパトリオットミサイルで反撃する、が正解!」
本願寺さん「そんなデタラメな、、、、時代考証がさっきと違うじゃないですかぁ!」
霧姫試験官「心象世界にある程度なじむと、心を操作する事が可能になるのよ。なので、さきほど逃げる間に心に馴じんだアナタ方は、パトリオットミサイルを速攻、具現化する必要に迫られるわけ! おわかり? そういうことでアナタも家路モード発動!」
本願寺さん「これは罠です、罠に決まってます! ヤメテ〜〜・・・サワラナイデ〜」
<黒服の男に取り押さえられ強制退出させられた>
霧姫試験官「「ふむむ・・ついに一人になってしまったわね、じゃあなた合格でいいワ!」
キム・ヨんハn「あ、アリガトウ、ゴザイですマス」
霧姫試験官「一言も発言しないその謙虚さが、今回はあなたに幸運をもたらしたのよ。わたしは見た目より鬼じゃないってことの証明ね♪
キムさんも、心象世界にはマニュアルなんて存在しない、それを肝に銘じてこれからサイコアナリストとして頑張ってちょうだい。じゃ、用が済んだらさっさと帰っていいわ!」
キム・ヨんハn「はぁ・・・・・・ウワぁぁぁ〜〜〜!! ヤメレ〜・・・」
<黒服の男に取り押さえられ強制退出させられた>
霧姫試験官「まったく最近のアナリスト候補生にはロクなのがいないわね。時代の変化かしら。時代といえば、さっきのシュミレーション、ヒトラーにしようかナポレオンにしようか、それともアレキサンダー大王にしようか、迷ったなぁ。。。
紀元前の戦法じゃファランクス(重装甲騎兵)しかないから、発想に欠けると思って、ヒトラーにしたのよね。まぁ今日は機嫌悪かったから仕方ないわ。候補生には可哀想な事かもって、ちょっと反省したりもするのよ。うふふ。
ともあれ、キリヒメはいつでもアナタの志願、お待ちしているわ! かかってらっしゃい!?」
*サイキック・ディテクティヴ教室-第2回 [終劇]